品川区の実家、再開発の波がどこまで届くかで全然違う話

地域別|実家・不動産の話
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「品川区の実家、駅近だから資産価値はそこそこ高いはず」

そう思って動いてみたら、想定より大きく上だったり、逆に想定より下だったり――そんな両極端な話を、品川区について耳にすることが増えました。

品川区は、いま東京23区の中でもっとも地価変動率の上位に入っているエリアのひとつです。ただし、その上昇は区内全域で一律に起きているわけではありません。

高輪ゲートウェイ・大崎・武蔵小山の再開発エリアと、それ以外のエリアで、相場の動きがはっきり分かれている――今日はこの構造を整理してみたいと思います。

「品川区」と一口に言うけれど、区内で価格差が13倍ある

まず、品川区の地価の幅を見てみます。

2026年1月1日時点の公示地価で、品川区全体の住宅地は前年比+13.89%の上昇でした。区全体の平均上昇率は+15.00%で、これは変動率の全国順位で6位という上位に入っています。

ただ、区内の地点ごとに見ると、価格差はかなり激しいです。

区内最高地点は西五反田1-2-10で、坪単価は2214.9万円。これは目黒区の自由が丘(坪1273万円)よりも高い水準です。一方、区内最低地点は八潮2-7-8で坪単価168.6万円。最高と最低で約13.1倍の差があります。

駅圏でも同じ傾向が出ていて、大崎駅周辺の坪単価が1122.3万円、大井競馬場前駅周辺が168.6万円。同じ「品川区」と言っても、駅によって価格の桁が違うのが現実です。

この価格差を生んでいるのが、再開発の波がどこまで届くかという問題です。

再開発の中心:高輪ゲートウェイ・大崎・武蔵小山で起きている急上昇

品川区の地価上昇を牽引しているのは、3つの再開発エリアです。

高輪ゲートウェイシティ:JR山手線の新駅・高輪ゲートウェイ駅周辺で進む大規模再開発で、2025年に第Ⅰ期(THE LINKPILLAR 1・2など)が街びらきしました。隣接する品川駅再開発(リニア中央新幹線の起点予定)とあわせて、品川エリア全体の評価を押し上げています。

大崎駅周辺:山手線・湘南新宿ライン・りんかい線が交わるターミナルとして、ここ10数年でビジネス街・タワーマンション集積地に変貌しました。坪単価1122万円は、品川区の駅圏で最高水準です。

武蔵小山:駅前で41階建てタワーマンションを含む再開発が完了し、駅周辺の利便性と価値が大きく上がりました。アーケード商店街「武蔵小山商店街パルム」は健在で、新旧が共存する街として評価されています。

これらのエリアに徒歩圏内で接している実家は、相場が想定以上に高くなっている可能性が高いです。逆に言うと、こうしたエリアの実家を「築古だから安いだろう」と思って動かないでいると、機会を逃すこともあり得ます。

知人から聞いた話で、五反田駅徒歩圏の築40年戸建てを売却したご家族のケースがありました。最初は「築古で大したことはないだろう」と思って一括査定を依頼したら、複数社から想定の倍近い金額が出てきて驚いた、とのことでした。再開発の波が駅徒歩10分圏まで広く届いていることを実感した、と話されていたそうです。

山手線沿線とそれ以外で、評価の動きが違う

品川区の地価データをもう少し細かく見ていくと、沿線によって評価の動きが大きく違うことが分かります。

沿線別の公示地価平均で見ると、山手線沿線が坪単価626万円、都営浅草線沿線が402万円、都営三田線沿線が309万円。一方で、京急本線沿線は85万円、東急大井町線沿線は118万円、東急目黒線沿線は121万円――山手線沿線とその他で、5〜7倍の差があります。

上昇率でも傾向が分かれていて、**青物横丁駅が前年比+15.00%(区内トップ)**と高い一方、**大井競馬場前駅は+8.50%(区内最低)**にとどまっています。同じ品川区内でも、上昇率に2倍近い差があるわけです。

つまり、品川区の中で「再開発の恩恵を受けて急上昇しているエリア」と、「上昇はしているけれど緩やかなエリア」が同居しているということです。

自分の実家がどちら側に属しているかを把握しておかないと、相場感が現実とずれてしまう可能性があります。

京急本線・大井町線・大森海岸エリアで起きている「取り残され」

品川区内で上昇率が緩やかなのは、京急本線沿線(北品川・新馬場・青物横丁・鮫洲・立会川・大森海岸)と東急大井町線沿線・京浜東北線の大井町以南です。

これらのエリアは、駅自体の利便性は高いものの、再開発の中心からは少し距離があります。地価は上昇していますが、山手線沿線ほどの勢いはない――これが現状です。

不動産関連の記事で読んだのですが、京急本線エリアは「地に足のついた住宅地」として安定した需要があり、急上昇はしないものの価格の安定性が高いという評価もあるそうです。タワーマンションが少なく、戸建てや中低層マンションが中心のエリアならではの特徴です。

「再開発の波に乗らない」ことは、必ずしも悪いことではありません。ただ、周辺の急上昇を見て「自分の実家も同じくらい上がっているはず」と思い込むと、ズレが生じる――この点は注意したいところです。

品川区の実家を売る前に確認しておきたいこと

ここまで整理してきたように、品川区の実家は「どのエリアにあるか」「どの沿線か」「再開発の波の中か外か」で、相場が大きく違います。

特に品川区のように区内格差が大きい地域では、駅名と徒歩分数まで含めて相場を確認しておかないと、想定とのズレが生じやすくなります。

相場感の整理については、こちらの記事も参考になります。

相場だけ知っておいた方がいい理由|実家を売る前の準備


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自分の実家が「波の中」か「波の外」か、まず確認する

「品川区の実家を売るかどうか」という大きな問いの前に、まずは自分の実家が再開発の波のどこに位置しているかを、客観的な数字で確認するところから始めるのが、無理のない進め方だと思います。

高輪ゲートウェイや大崎の徒歩圏なのか、武蔵小山の再開発の恩恵を受けるエリアなのか、それとも京急本線・大井町線沿線で安定推移しているエリアなのか。

それぞれで取るべき戦略は違いますし、急ぐべきか待つべきかの判断も変わってきます。

数字を一度見ておく――そこから先は、どうしたいかを自分のペースで考えればよいと思います。


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