「売らなければよかった」
「もっと違う売り方があったのかもしれない」
実家や持ち家を売却した後で、こう感じている人の話を、わりとよく見かけます。 ネットの体験談、不動産関連の本、実家を持つ知人の話。 私自身は売却を経験していませんが、こうした話を読んでいると、後悔している人にはいくつかの共通点があるように思いました。
少し整理しておきます。
共通点①:相場をきちんと知らないまま決めた
一番よく見かけるのが、これです。
ある人は、親の介護施設入居が決まり、空き家になった実家を急いで売りました。 知人の紹介で来た不動産会社に、提示された金額でそのまま売却したそうです。
半年ほど経ってから、近所で似た条件の家が 300万円ほど高い金額 で売れていたことを知ります。 「あのとき、もう少し相場を調べていれば」と話していたとのこと。
似たケースは何度か読んだことがあります。 提示された金額が安いかどうかは、比較するものがないと分からない。 これがそのまま、後悔の根っこになります。
相場の調べ方については別の記事にまとめています。
共通点②:感情のまま、急いで決めてしまった
実家の売却は、たいてい何かのきっかけと一緒に起こります。
親の介護施設入居、急な相続、家族の体調不良、転居。 こうしたタイミングでは、頭が「決めなくては」というモードになりやすい気がします。
ただ、後で振り返ると、実は急いでいなかったということが結構あるそうです。
ある相続のケースでは、兄弟3人で「早く片付けたい」という気持ちで動き、3ヶ月で売却を決めました。 後になってから「半年待っていれば、子どもの進学のタイミングを見て買い手がもっと現れたかも」と話していたとのこと。
「決める」ことと「急ぐ」ことは、別なのかもしれません。 後から気づくケースが多いように見えます。
迷っているなら、すぐに決めなくていい話を別の記事にまとめています。
共通点③:1社の言うことだけを信じた
これも結構あるパターンです。
最初に相談した不動産会社は、たまたま近所にあった、たまたま親の知り合いの紹介、たまたまネットで一番上に出てきた、というだけのことが多い。
その1社の話を、「不動産業界全体の常識」のように受け取ってしまう。
ある人は、最初に来た不動産会社に「この築年数だと買取がいいですよ」と言われ、買取で売却したそうです。 数ヶ月後、別の会社に相場を聞いたら、仲介でその金額より400万円ほど高く売れた可能性 があったと知ります。
不動産会社にも得意・不得意があります。 戸建てに強い会社、マンションに強い会社、土地に強い会社、買取に強い会社。
1社だけだと、その会社の得意な売り方に合わせた答えしか出てきません。 これが後悔の原因になりやすい部分です。
複数社の査定を比べるのは、金額を競わせるためというより、売り方の選択肢を知るため だと思っています。
後悔しないために、できそうなこと
ここまで3つの共通点を見てきました。 整理すると、後悔した人がやらなかったことは、だいたいこの3つです。
- 相場を、複数の角度から確認する
- 急いで決めず、自分の納得できるまで時間をとる
- 1社だけでなく、複数社の話を聞く
逆に言えば、この3つを意識するだけで、後悔の確率はかなり下がるはずです。
相場だけ知っておきたい方へ
売る・売らないを決める前に、 いまの相場を知っておくだけで気持ちはかなり楽になります。
いくつかの不動産会社にまとめて査定を頼める、無料のサービスがあります。 「検討段階です」と伝えるだけで大丈夫です。
特殊な事情がある実家の場合
もし実家に、事故物件・告知義務のある物件・長年放置していた家など、普通の不動産会社では扱いづらい事情がある場合は、上の3つだけでは足りないことがあります。
そうしたケースの売り方は別の記事にまとめています。
▶ 事故物件、専門の買取業者と一般の不動産会社、どちらに頼むべきか
終わりに
実家を売るかどうかは、何度も悩むテーマです。 一度決めたら戻せない、というのが、迷う一番の理由ではないかと思います。
ただ、後悔した人の話を読んでいて感じるのは、「迷ったこと」が後悔の原因ではない ということです。 急いだこと、調べなかったこと、1人で決めたこと。 こちらの方が、後悔の根っこになっているように見えました。
迷ってもいい。
ただ、迷っている間に、知れることを知っておく。 これだけで、結果はずいぶん違ってくる気がしています。


コメント