実家をどうするか。売るのか、残すのか、それともまだ何もしないのか。
私はこの問題をかなり長い間、ほったらかしにしていました。「何から考えていいか分からない」というのが一番の理由でしたが、もう少し正直に言うと、考え始めると不安が大きくなる気がして、意図的に避けていた部分もあったと思います。
不動産屋に行けば話が早いのは分かっていました。でもその場で「今が売り時ですよ」と言われたら断れる自信がないし、よく分からないまま話が進んでしまったらどうしようという気持ちが先に立ってしまって。結局、何もしないまま時間だけが過ぎていました。
今同じような状態にある人に伝えたいのは、その感覚はごく普通だということです。そして、迷っているときにまず何をすればいいか、私が実際にやったことをここに書いておきます。
迷い方には、だいたいパターンがある
いろんな人の話を聞いていて気づいたのですが、実家の売却で迷っている人の迷い方には、わりと共通したパターンがあります。自分がどれに近いか考えてみると、少し整理しやすくなるかもしれません。
思い出があって踏み切れない
「子どもの頃の記憶がある家を手放すのは、やっぱりつらい」という感覚は、理屈ではなくて気持ちの問題なので、正解も不正解もないと思っています。
ただ一つ言えるとしたら、「売る=思い出がなくなる」わけじゃない、ということで。建物を手放しても、そこで過ごした時間が消えるわけではないし、売った後も記憶はちゃんと残ります。ここで無理に「合理的に考えよう」と自分を追い込むと、余計につらくなるので、この感覚はひとまず横に置いておいていいと思っています。
家族の意見がまとまらない
「自分は売りたいけどきょうだいが反対している」「親がまだ元気で、話を切り出せない」というケースは本当によくあります。
実家の問題は一人では決められないことが多くて、立場が違えば意見が食い違うのも自然なことです。近くに住んでいる人と離れている人では温度差があるし、管理の負担を感じているかどうかでも見え方が全然違う。全員の意見が一致するのを待っていると、いつまでも動けません。
こういうときは、感情の議論をする前に「判断材料だけ集める」ところから始めると、少し話しやすくなることがあります。「今いくらくらいで売れそうか」という具体的な数字が出てくると、話の温度が変わるんですよね。
そもそも情報がなくて判断できない
「いくらで売れるか分からない」「税金や手続きが何も分からない」という場合、これは迷っているというより判断材料が足りていない状態です。
情報がないまま「売る・売らない」を決めようとするのは、メニューを見ずに注文するようなもので、不安になるのは当然だと思います。このパターンの方は、まず相場を知るだけでかなり気持ちが楽になるはずです。
今売るべきか、タイミングが分からない
「もう少し待てば高く売れるかもしれない」「早く売らないと下がるかも」という迷い方もよくあります。ただ、不動産の価格タイミングを正確に読むのはプロでも難しいので、完璧な売り時を狙おうとするとほぼ永遠に動けなくなります。
このタイプの迷いで多いのは、「今の相場すら知らない」状態で「今が売り時かどうか」を判断しようとしてしまっていること。現在の価格を把握したうえで「まだ待つ」と決めるのと、何も知らずになんとなく待つのとでは、気持ちの落ち着き方がかなり違います。
私が「すぐに決めなかった」本当の理由
振り返ると、私の迷いはこれらのパターンがいくつか重なっていました。思い出の問題もあったし、家族の温度差もあったし、相場も全然知らなかった。
全部いっぺんに解決しようとしていたのが、動けなくなっていた原因だったんだと思います。
そこで少し考え方を変えて、「気持ちの問題」と「情報の問題」を分けてみることにしました。気持ちの整理はすぐにはできないけれど、情報を集めることならできる。先に情報の問題だけ片付けてしまえば、気持ちの整理にも少し余裕ができました。
「決断するための準備」ではなくて「知るための行動」と思うと、ハードルがぐっと下がった気がしています。
「迷っている」は悪いことじゃない
迷うこと自体に、後ろめたさを感じる必要はないと思っています。
実家の売却は数千万円の判断であると同時に、家族の歴史に関わる判断でもあります。すぐに決められる人の方が少数派なはずで。
ただ、「迷い続ける」と「考えながら待つ」は違います。迷い続けるだけだと不安だけが積み重なっていくけれど、情報という土台があれば、待つことが「放置」ではなく「判断の途中」になる。そこが大きな違いだと感じています。
まず「考える順番」を決めるだけでいい
いきなり「売る・売らない」を決めようとするから、しんどくなります。
私がやったのは、まず順番を決めることでした。
最初にやったのは相場を知ること。売るかどうかは、その後に考えればいい。相場を知ったからといって、売る義務は何もないし、知った上で「やっぱりまだいいか」と思っても全然問題ない。
相場を知って、気持ちが少し落ち着いたら、次は家族と話してみる。その段階でも「すぐに決めなくていい」という前提のままでいい。
「全部同時に解決しなきゃ」と思わずに、一つずつ順番に片付けていく。それだけで、だいぶ楽になりました。
後悔した人の話も、参考になった
実際に売って後悔した人の話を聞いていくと、「決断が早すぎた」「比べなかった」「相場を知らなかった」というパターンが多かったです。
逆に「売ってよかった」と言っている人は、急かされずに自分のペースで進めていた印象があります。
後悔しないためのポイントは、特別な知識より「焦らないこと」と「比べること」の2つに尽きる気がしています。詳しくはこちらの記事にまとめました。
最後に
実家をどうするか、まだ決めなくていいと思います。
ただ、「何も知らない状態」と「相場だけ知っている状態」は、迷い方がかなり違います。決断を急ぐためじゃなくていいので、まず情報だけ集めてみると、不安が少し具体的になって、かえって気が楽になることがあります。
このサイトが、そのきっかけの一つになれば嬉しいです。
相場だけ知っておきたい方へ
「売るかどうか」を、いま決める必要はありません。
ただ、自分の家や土地が、いまどれくらいの金額になりそうなのか。 ざっくりでも分かっていると、判断の土台ができます。
いくつかの不動産会社にまとめて査定を頼める、無料のサービスがあります。
- 売却を前提にしなくて大丈夫です
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知ったうえで、今は動かないという選択もできます。 そういう使い方をしている人も多いようです。

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