使っていない実家の固定資産税が重い。払い続けるか、手放すか

土地・空き家の話
この記事は約5分で読めます。

毎年5月になると、憂鬱な封筒が届きます。

固定資産税の納税通知書です。誰も住んでいない実家に、毎年お金を払い続けている。そういう状況が何年も続いているという話を、本当によく聞くようになりました。

私もそのひとりでした。父が亡くなって実家が空き家になってから、毎年14万円ほどの固定資産税を払い続けていました。「払っているだけで何も生んでいない」という感覚が、じわじわと重くなっていくんです。それでも「売るかどうか決めていないから」という理由で、ずっとそのままにしていました。

この記事では、空き家の固定資産税に悩んでいる人が、次に何を考えればいいかを書いています。


固定資産税は、空き家でも減額されない

まず知っておいてほしいのは、空き家になっても固定資産税はほぼ変わらない、ということです。

住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」という制度があり、更地と比べて税額が大幅に軽減されています。小規模な住宅用地では固定資産税が6分の1、都市計画税が3分の1になります。この特例は、空き家であっても建物が存在している限り適用されます。

ただし例外があって、「特定空き家」に指定されると、この特例が外れて税額が一気に上がることがあります。倒壊の危険がある、衛生上有害な状態にある、景観を著しく損なっているなど、行政から問題があると判断された空き家がこれにあたります。

私が払っていた14万円も、特例が適用された状態の金額でした。もし建物を解体して更地にすると、この特例が外れて逆に税額が上がる可能性があります。「古い建物を壊せばすっきりする」と思って解体すると、税金が増えてしまうケースがあるので、この点は注意が必要です。


「払い続けたらどうなるか」を数字で考えてみた

感覚的に「もったいない」と思っていても、なかなか動けないことが多いと思います。そこで私がやったのは、「払い続けたらどうなるか」を数字で整理することでした。

年間14万円の固定資産税を払い続けると、5年で70万円、10年で140万円になります。これに火災保険(年間3〜4万円程度)、最低限の管理費用、たまに発生する修繕費を加えると、10年で200万円近くが出ていく計算になりました。

この数字を出したとき、「そんなに払うなら動いた方がいいな」という気持ちがはっきりしました。漠然と「もったいない」と思っていたのが、具体的な数字になると判断しやすくなります。


固定資産税を減らす選択肢は、いくつかある

「払い続けるか手放すか」の二択ではなく、間にいくつか選択肢があります。

売却する

一番シンプルな解決策です。売れば固定資産税の支払いは終わり、まとまった資金も入ります。

私も最初は「たいした金額にならないだろう」と思っていました。ところが査定を取ってみたら、思っていたよりずっと高い金額が出てきて。「10年分の固定資産税より、はるかに大きな金額で売れる」と分かったとき、考え方が変わりました。相場を知らないまま「売りたくない」と思っている人が多いのですが、数字を見るだけで判断が変わることがあります。

賃貸に出す

売りたくない場合、貸すという選択肢があります。うまくいけば固定資産税を賄えるどころか、収入にもなります。ただ、賃借人がついたあとに「やっぱり売りたい」となっても、すぐには売れなくなります。また、管理の手間や修繕コストも発生するので、「楽に収入が入る」というイメージだけで始めると想定外のことが起きやすいです。

空き家バンクや自治体の活用制度を使う

地方の物件であれば、自治体が運営する「空き家バンク」に登録するという選択肢もあります。移住希望者とマッチングする仕組みで、うまくいけば売却や賃貸につながることがあります。無料で利用できるケースが多いです。

現状のまま売る vs リフォームしてから売る

状態が悪い物件は、リフォームすることで売りやすくなることがあります。ただしリフォーム費用が売却価格の上昇分を上回ってしまうこともあるので、事前に不動産会社に相談するのが無難です。「現状のまま売った方がいい」と言われることも少なくありません。


「今の相場」を知ることが、全部の出発点になった

選択肢がいくつかあっても、「自分の実家に当てはめたらどうなのか」が分からないと判断できません。私が一番役に立ったのは、まず相場を知ることでした。

複数の不動産会社に査定を依頼して、金額の幅を見てみる。それだけで「売れば固定資産税の何年分になるのか」が具体的に計算できるようになります。

私の場合、査定で出てきた金額を固定資産税の年額で割ってみたら「約30年分」でした。「30年分の税金が一度に手に入る」と思ったら、話がかなりシンプルになりました。売るかどうかはまだ決めていない段階でしたが、「判断できる状態になった」という感覚が大きかったです。


「払い続ける」を選ぶにしても、把握してから選びたい

売らない、貸さない、そのままにしておく。それも一つの選択です。思い出のある家を手放せない気持ちは、よく分かります。

ただ、「よく分からないから、とりあえず払い続ける」という状態と、「相場も維持コストも分かった上で、今は手放さないと決めた」という状態は、同じ「払い続ける」でも全然違います。

後者の方が、気持ちが楽なんです。「選んでいる」という感覚があるから。前者は「なんとなく続いている」だけなので、毎年納税通知書が届くたびに憂鬱になる。私はずっとそちら側にいました。


まず固定資産税の納税通知書を見直してみる

意外と「自分の実家の固定資産税がいくらか」を正確に把握していない人もいます。納税通知書には、土地と建物それぞれの評価額と税額が記載されています。

ここに書かれている「固定資産税評価額」は売却価格とは違いますが、おおまかな目安にはなります。納税通知書を手元に置いた状態で査定を依頼すると、担当者への説明もしやすくなります。

※ここに「無料不動産査定サービス」へのリンクを設置予定です


最後に

固定資産税の封筒が届くたびに憂鬱になる、という状態は、情報がないことから来ている部分が大きいと思っています。

相場を知る、維持コストを計算する、選択肢を把握する。それだけで、毎年の憂鬱が「判断の材料」に変わっていきます。私はそれに気づくのに3年かかりましたが、動き始めてから気持ちがずいぶん楽になりました。

封筒が届いたら、今年こそ一度だけ向き合ってみてもいいかもしれません。

関連記事:空き家の実家を放置してしまう人へ。売る前に考えたこと

関連記事:不動産を売る前に「相場だけ」知っておいた方がいい理由

関連記事:実家を売るか迷っている人へ。私がすぐに決めなかった理由

コメント

タイトルとURLをコピーしました